2019-01-10

北西辺境にある小さな町、チトラールへの行き方【パキスタン】


チトラールへの行き方などをまとめました。



チトラールとは?

チトラールはどこにある?



パキスタンの北西部、アフガニスタン沿いに南北に延びた地域を『カイバルパクトゥンクワ州(KPK州:以下、KPK)』と呼びます。KPKには、州都ペシャワール地区をはじめとした21の地区と6辺境地区(連邦直轄部族地域)が含まれています。
今回紹介する『チトラール』はKPKの北部地域一帯に広がる地区のことをいいます。



『チトラール』は地区名でもありますが、町の名前でもあります。
チトラール地区の中心部に位置する町をチトラールといい、このエリアでは最大の町になります。

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チトラールは、『カラーシャ谷』へのアクセス拠点となる町。

チトラールを目指す多くの旅人の一番の目的は、『カラーシャ谷の訪問』だと思います。
カラーシャ谷に行くためには、まずチトラールへ行き、外国人滞在登録をしなければなりません。チトラールからカラーシャ谷へは、乗り合いジープやタクシーで2時間〜3時間ほどでいけます。
カラーシャ谷は、こんな可愛らしい民族衣装を着た民族が暮らす谷です。


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世界一可愛い?民族の谷カラーシャ。

チェックポストについて

パキスタンでは、都市間の移動中、軍や警察によるチェックポストを至る所で目にします。
チェックポストを通過するために、パキスタン人はNICカード(パキスタン国民のIDカード)を提示するだけでOKですが、外国人である私たちは、パスポートやビザの提示を求められたり、訪問の目的を聞かれたり、ツーリストインフォメーションノートに書き込んだりしなければなりません。テロなどの事件を未然に防ぐために、また外国人旅行者の安全のために、セキュリティが強化されています。
ローカルバスで移動中、自分のために他のパキスタン人乗客を待たせてしまうこともしばしば・・・。(イスラマバードやペシャワールからチトラールへ北上するルートの場合、外国人旅行者が少なくチェックポストの軍人さんたちも対応に慣れていないために、特に時間がかかります)

パスポートとビザコピーの提出は義務ではありませんが、渡せばある程度手間を省ける場合もあるので、何十枚か持っておくのがオススメです!

チトラールへの行き方

チトラールへの主なアクセス方法は以下、4通りあります。
私の実体験と、他の旅行者からの情報を元に、詳しいアクセス方法を載せます。

イスラマバード(またはペシャワール)から空路で

パキスタン航空(PIA)の国内線が、パキスタンの首都イスラマバードから週に2便、またカイバルパクトゥンクワ州の州都であるペシャワールから週に2便運行しています。

★イスラマバード→チトラール ※2019年1月現在
出発時間:金曜日 10:15AM / 日曜日 11:15AM
所要時間:1時間10分
料金:11980パキスタンルピー (1パキスタンルピー≒0.8円)

★ペシャワール→チトラール ※2019年1月現在
出発時間:金曜日 01:25PM / 日曜日 02:25PM
所要時間:1時間
料金:9890パキスタンルピー

フライト予約は以下、公式ホームページにて可能です。
パキスタン航空ホームページ


イスラマバードからロワリトンネルを経由して陸路で


イスラマバードのG-9エリア中心部にある『カラチカンパニー(Karachi company)』と呼ばれるバススタンドから、チトラール直通の中型バスが出ています。
このルートは、以前はロワリ峠(標高3118m)を通るルートであったため、数年前まで毎年11月下旬から5月下旬の間は雪のために閉鎖されていたようです。
しかし2017年にロワリトンネルが開通したことにより、一年を通してアクセスが可能になり、移動にかかる時間も大幅に短縮されました。

バス会社『Marvi Travels』利用の場合 ※2018年10月時点出発時間:月・水・金曜日 07:30AM
毎日 08:00PM(集合時間は07:00PM)
所要時間:13時間程度
料金:1200パキスタンルピー (※1)
乗車場所:G-9中心部にあるカラチカンパニーのバススタンド
降車場所:チトラール市内南にあるバススタンド</p></div>
(※1) このエリアのバスでは、女性一人の場合、男性との相席はあまり好ましくないため、2シート分買うことになる場合があります。

ペシャワールからロワリトンネルを経由して陸路で

グランドトランクロード(Grand Trunk Road)沿いの『ハジキャンプ(Haji camp bus stop)』のあたりから、直通のミニバスが出ています。
こちらも、ロワリトンネルを通るルート。
イスラマバードから行くよりも移動時間は少しだけ短縮されますが、バスの質はイスラマバード着発便にやや劣ります。

ミニバス利用の場合 ※2017年8月時点出発時間:08:00PM(集合時間は07:00PM)
所要時間:約12時間
料金:2100パキスタンルピー (※1)
乗車場所:ハジキャンプの近くのバススタンド
降車場所:チトラールポリスオフィスの前 (※2)
(※1) 2018年5月にチトラールで会った旅人は、この半額くらいで来れたと話していました。
(※2) 外国人は滞在登録をしなければならないので、ドライバーが気を利かせて滞在登録オフィス前でおろしてくれましたが、通常はチトラール市内南のバススタンド着だと思います。

ギルギットからシャンドゥール峠を越えて


ギルギット・チトラール間の、シャンドゥールパス(標高3700m)を通るルート。
中国方面からフンザを経由してくるような場合は、こちらがメインルートになります。
ギルギットからチトラールまでの移動は、最低でも1泊2日必要です。
こちらのルートは、冬季は雪のために閉鎖されます。道路状況次第なので、正確な日時は決まっていません。
2017年は3月中旬にはオープンしていた模様。2018年のクローズは11月1日でした。

1日目:ギルギット→マスツージ(国営NATCOの大型バス) 約13時間半
2日目:マスツージ→チトラール(ミニバス) 約5時間"
グピス・パンダール・ブニなど、シャンドゥールロード沿いには美しい村々がたくさんあるので、途中で立ち寄るのもオススメです。
シャンドゥールロードは舗装されていない道も多く、体力を使う移動ですが、景色は抜群!
景色を楽しみたい人にはオススメのルートです。


参考リンク私は、チトラールからシャンドゥールパスを越えてギルギットまで行ったことはありますが、逆はありません。ギルギット→チトラールに関しては、友人がブログで詳しくまとめていますので、こちらの記事を参照していただければと思います。
パキスタンの移動と宿 / Kumo-memo


イスラマバードまたはペシャワールから陸路で向かう場合の注意男性ならば問題なくチェックポストを抜けられると思いますが、女性一人の場合、足止めを食う可能性があります。私は一度、イスラマバートからチトラールへバスで向かっていた際に、チェックポストでやや揉めました。
マラカンド付近のチェックポストにいた係員に、「男性の同伴または、現地で男性の知り合い(現地で世話をしてくれるガイドのような)がいない場合、この先に行かせることはできない」と言われました。私はチトラールに友人がいたので、その場で電話をつないでその友人に係員と上手いことやりとりしてもらいました。係員は、友人の連絡先や住所、NICカードの番号などを控えた上で、やっとチトラール行きを許可してくれました。
もしチトラールに知人が誰もいなかった場合、追い返されていた可能性もあります。
なので、女性一人旅の方は、そういうリスクを承知した上で行くか、誰か男性の旅仲間を見つけて一緒に行くことをお勧めします。飛行機またはシャンドゥールルートを使う場合は問題ありません。


滞在登録と護衛警察について

2018年11月時点では、外国人はチトラールエリア内において、滞在登録と護衛警察の同行が義務付けられていました。
護衛警察の制度に関しては、今後なくなるという噂もありますが、それがいつになるかは不明です。
以下の記事で、チトラールの治安や護衛警察について詳しく書いています。

チトラールの治安と護衛制度について【パキスタン】


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