2017-08-27

世界一可愛い?民族の谷カラーシャ【パキスタン】

チトラールへ来た目的は、カラーシャ谷を訪れること。
チトラールは、カラーシャ谷訪問の拠点となる街なのだ。


カラーシャ谷は、チトラール南西部に位置する
ルンブール谷、ブンブレット谷、ビリール谷の3つの谷からなっていて
半農半牧を営む「カラーシャ」という少数民族が住んでいる谷。

イスラム教一色に塗りつぶされているこの地域にありながら
カラーシャは独自の多神教を信仰しているために
「異教徒(カーフィル)」と呼ばれているらしい。
独自の言語である「カラーシャ語」を話す。
チトラール同様、英語はあまり伝わらない。


谷のあちこちに神々の祭壇や聖域があり、
四季折々にさまざまな祭りや儀礼を行う民族。





多くの旅行者がカラーシャ谷に惹きつけられる理由は、
美しい自然や人々、そして何より女性たちの纏う独特の美しい民族衣裳や人々だろう。
私も、カラーシャの人びとの写真を一目見たときから
この可愛い衣裳を着た美しい人たちに会いたくて、
カラーシャ谷を訪れてみたくて仕方なかった。


この日は、アルファルークホテルのオーナーが手配してくれたジープで
カラーシャ谷のブンブレットへ。

本当はチトラールからセキュリティポリスをつけなきゃいけないのだけど
経験豊富なガイド兼ドライバーのイムランが何やらうまくやってくれたらしく
地元カラーシャのポリスをつけてもらえることになった。
ポリスの分の宿泊費を払わなくて住むのはとても助かる。


カラーシャへ向かう途中、
チトラールの街が見渡せるビューポイントにて。




ブンブレットへは、チトラールからアユーンという村を経由して2時間半。
谷へたどり着くまでの景色もとってもすばらしくって。



ヒンドゥークシュ山脈に囲まれたこのアユーンの景色は
言葉も出ないほどあまりに綺麗だった。心が震えた。
こらえきれず、思わず目から涙が溢れ出す。
「綺麗」というただそれだけではないような
昔いた場所に戻って来たような、そんな感覚だった。

本当に幸せな気持ちだった。本当にここまで来れてよかった。
カラーシャにたどり着いていないのに、既に感動してしまい
もう正直これで十分、カラーシャにいけなくても悔いはない、と思ったほど。笑


カラーシャへは、なかなかのハードロードが続く。
途中チェックポストがあり、1200ルピーを支払う。
そのチェックポストがちょうどブンブレットとルンブールの分かれ目になっていて
ブンブレットは左に曲がってさらに山肌を進んだ先にある。




ブンブレットは、カラーシャの3つの谷のうち一番規模が大きく、人口も多い。
一番観光地化されていて、村にはホテルやお店が何件も立ち並んでいる。




チトラールの人に事前に聞いたところ、多くの人がブンブレットを勧めて来た。
彼ら曰く、一番景色が綺麗で、見所が多いとのこと。


ブンブレットでは、Butt Kalash guest houseという宿に泊まった。
テラスからの眺めが良くて、温かい家族が迎えてくれる
ホームステイ感覚で泊まれるアットホームな宿。




さっそく、民族衣装を着た可愛い子どもたちとご対面。





そして、少し村を歩き回る。

カラーシャの子どもたちはシャイなのか
写真を撮ろうとするとすぐに隠れちゃう。




なので写真はちょっと難しかったりもするのだけど
仲良くなって、たくさん撮らせてくれた子も。











カラーシャやチトラールの人々はパキスタンの他の地域とはまた違い
青や緑の瞳のをもち、西洋人ぽい顔立ちの人が多い。
西洋と東洋の血が混じりいいとこ取りをしたような
端正な美しい顔立ちの人ばかりで、思わず見とれてしまう。


もともとカラーシャは、はるか西方のツィアムという土地にいて、
流浪の旅の果てにチトラールへたどり着いたのだという。
現在は、インド人より先にこの地方にやって来た
インド・アーリアンの一派であるとされる説が有力なようだが
正確なことはよくわかっていないらしい。

この子たちの祖先は、どこからやってきたのだろう。



もともとチトラール全域にいたカラーシャだったけど
イスラムへの改宗が進められて
現在では3つの谷だけが、彼らの居住地になっている。

中でも、ビリール村はほとんどがムスリムで
ブンブレットも近年ではムスリムへの改宗者が多くなっているらしい。
外からの援助がどんどん入り、観光地化され、
だんだんとカラーシャ本来の姿は失われていっているという話も聞いた。

観光地化され旅がしやすくなるのは嬉しいけれど
それによって失われるものも多いのだろう。複雑な気持ち。

ブンブレットには、こんなお土産やさんも。







それでもやっぱりブンブレットの谷は自然がいっぱいで
歩いていてとっても気持ちが良かった。


村のあちこちにあるトウモロコシ畑。


ひまわりも太陽をたくさん浴びて気持ち良さそう。




こんなところで一日のんびり本でも読んで過ごしたい。








憧れの民族に会うことができ、また一つ夢が叶った。
 
たった一日だけれど、ブンブレットを満喫することができて良かった*












Y.

2017.8.17
Bumburait Kalash PAKISTAN





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