①Hijab ヒジャブ
頭と耳、首元を覆うけれど顔は見える。
イスラーム世界で広く使われている。
パキスタンでもこれが一番多い気がする。
②チャドル
髪と全身を覆うマント。
イランや中東に多いらしい。
パキスタンでも全土で時折見かける。
③ニカーブ
鼻や口を含めて全身を覆う。
見えるのは目だけ。
アイメイクばっちりの女性が多い。
ワッハーブ派のサウジアラビアを始めとして中東に多い。
パキスタンでは西側地域で多い。
④ブルカ
全身を覆うベールで、目元は網目状になっている。
アフガニスタンやパキスタンのパシュトゥーン人が伝統的に着用している。
ちなみにアフガニスタンではスカイブルー、パキスタンでは土色が主流。
アフガニスタンではタリバン統治時代にこのブルカが強制され
現在もその名残かパシュトゥーン地域外でも着られている。
***
ムスリム女性が纏うベールにはさまざまな種類があり、
それぞれ地域の文化に根ざしているところも大きいけれど、
パキスタンなどでは、とくに都市部を歩いていると、
女性のファッションはわりと多様で、
何を身につけるのかはあくまで個人の考えによるものなのだ、
という印象を受けたりする。
上の写真4パターンのベールはどれも、
パキスタンのいずれかの地域で見られる衣装。
それに、都市部やイスマイリー派の地域では、
ショールを首にかけているだけの人や、
髪の毛チラ見せスタイルの人もいたりして
あら、案外自由なのね、と少し安心したりもする。
啓典クルアーンには、書かれている。
信仰する女たちの視線を低くし、貞節を守るように言いなさい。
外に表れるもの以外は、かの女たちの美を目立たせてはいけません。
そして覆い布(フルム)をその胸の上に垂れて、
かの女たちの美を目立たせてはいけません。
ただし、自分の夫、父親、夫の父親、自分の息子たち、
夫の息子たち、自分の兄弟、兄弟の息子たち、
姉妹の息子たち、自分(と同じ信者)の女たち、
自分の右手が持つ者(奴隷)、性欲を持たない従者、
または女性の体に意識をもたない幼児を除いて...
《クルアーンやさしい和訳 24章31節》
ここで書かれている「外に表れるもの」とは一般には、顔と手と解される。
他方では、イスラームの中にもさまざまな法学派があり、見解は分かれる。
原則として、ハンバリー派やシャーフィイー派は「全身を覆うべき」
ハナフィー派、マーリキー派は「顔や手を覆うことは求められていない」など。
預言者(ムハンマド)よ、あなたの妻、その娘たち、
また信者の女性たちにも、長衣を下まで垂らすように言いなさい。
かの女たちが(男性から)知られ、害されないためにもそれがより適切なのです...
《クルアーンやさしい和訳 33章59節》
ちなみにパキスタンではハナフィー派が多く、
私がシャハーダをしたチトラールのマスジドもハナフィー派。
けれど地域の女性たちはブルカかニカブをしていた。
クルアーンには、どのような服装をすべきなのか、
具体的な記述はないため、その解釈も、
地域や年代、それぞれの家庭や女性の考えなどにより変化するようだ。
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