この写真、もう2年近く前の8月なかほど、
初めてアユーンを通りかかったときにスマホで撮ったもの。
フンザに行ったときもとっても感動したのだけど
この景色がぱーっと目の前に広がったとき、
このときばかりはほんとうに、
込み上げてくる涙をおさえることができなかった。
2年前の日記を見返したら、こんなことを書いていた。
ヒンドゥークシュ山脈に囲まれたこのアユーンの景色は言葉も出ないほどあまりに綺麗だった。心が震えた。こらえきれず、思わず目から涙が溢れ出す。「綺麗」というただそれだけではないような昔いた場所に戻って来たような、そんな感覚だった。
チトラール地域で今まで訪れた場所の中で、
いちばん景色が綺麗だと思う場所はどこ?
と聞かれたら、私は間違いなくアユーンの名をあげる。
今まで何度か、カラーシャ谷に行く途中に
通りがかったことはあったけれど、
ゆっくり見て回ったことは一度もなかった。
今回も、泊まれる安宿がなくて宿泊はできなかったけど
一日ゆったりアユーンの村を散歩できた。
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ビリール村から早朝の乗り合いバンで出発、
1時間もしないうちにアユーンに到着。
宿は高く、泊まらないことにしたので、
アユーン警察署に行き、荷物を置かせてもらうことに。
チトラール地域では、いつも警察にお世話になりっぱなし。
(悪い意味ではなく)
アユーン警察署でも、ランチタイムに混ぜていただいた。
緑に囲まれた庭で、木々の間から光が差し込む。
こんな気持ちの良い場所で毎日ランチだなんて、素敵。
ほとんど私服だけど、みんな一応は仕事してるみたい。
暇そうだったけどね。
どう見ても平和な村にしか見えないもの。
護衛のジャラールとともに、アユーンの村を散策。
ジャラールの英語と、私のウルドゥー語とコワール語はだいたい同レベル。
拙いウルドゥー語と、ほんのちょっとのコワール語と、少しの英語を織り交ぜて話すのだけど、
それでも意外にも会話が成り立っているのが不思議でおかしかった。
山の方を目指して歩いてゆくと、
この写真の奥に写っている、農作業中の女性と目が合う。
このあと挨拶をして、チャイとパンを振舞っていただいた。
お腹いっぱいになり、女性にお礼を言って
また、散策へ。
アユーンは、ヒンドゥークシュ山脈に囲まれ、
豊富な水に恵まれた、木々と農作物の緑が美しい農村。
今回訪問した10月頭は収穫シーズン真っ只中の時期でもあり、
村を歩けばみーんな、せっせと働いていた。
お年寄りも、男性も女性も、子どもも、ロバも、家族総出。
少年たち。
サボってて怒られてるのかな?
フルーツはちょうどザクロがいい時期みたいで、
歩いてるとすれ違う人みんなザクロをおすそ分けしてくれた。
この時期の北部パキスタンは、晴天率も高くて、
お天気にも恵まれ青空の下、涼しい風が吹き抜ける中の散歩は
最高に気持ちがいい。
綺麗だな、アユーン。
そうそう、綺麗といえば、
アユーンで会った、この女の子の瞳がとても印象的だった。
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チナールの木の下で
アユーンのあちこちに立つ大きなチナールの木は
日差しの強い午後のアユーンで、
働く人たちにちいさな木陰を提供してくれる。
フンザでは杏やアーモンド、りんごにポプラという組み合わせだけど
この辺りではポプラはない代わりにチナールの木がたくさん。
ここは、ポプラには暖かすぎるみたい。
私はこのチナールが、けっこう好き。
木の下で読書をしたり、楽器を奏でたりして過ごしたくなる。
アユーンもおそらく、春からは護衛なしで歩けるようになったのではないかな。
そうなれば安宿も泊まれるし、村人の家も訪問できるかも。
また行きたいな、アユーン。
2018年10月 旅日誌より
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■アユーンへ
チトラール、ドローシュから1時間弱で行けます。
ドローシュからアユーンへ向かう途中、ティリチミール峰の展望ポイントがあります。
天気が良ければ前方に見える山々の向こうから、顔を出してくれているかもしれません。
■アユーンの宿
私の訪問時点(2018年10月)では護衛付きの旅だったこともあり、
セキュリティの問題で安い宿には泊まらせてもらえませんでした。
泊まってはいませんが、中級ホテルは宿泊可能でした(2000ルピー〜)
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