2019-03-02

お湯に浸かれることがこんなにも幸せだなんて【パキスタン・ガラムチャシマ】














パキスタン北西辺境の地の、そのまたさらに奥地にある村、ガラムチャシマ。
この村に来た理由はただ一つ、


熱々の、温泉の湯に浸かること。





***


日本を出てから1ヶ月半が経つ。
今回の旅で訪れた場所では、宿でのシャワーはおろか、
水道の蛇口をひねっても水(もしくはぬるま湯)しか出ないところが多かった。
パキスタンは、地域によって気温差が激しい。
砂埃や汗にまみれ旅を続ける日もあれば、
春先という季節、標高の高い地域をまわり、
服を何枚も着込んでやっと過ごせるような寒さの日も多かった。
そんな中で、水浴びをするというのはまるで何かの修行のよう。
「ひやぁ〜っ!」とバスルームでひとり、叫びながら水浴びをする。
寒すぎるので洗ったのか洗ってないのかよくわからないくらいに高速で。
移動が続き、だんだんとそれも億劫になり、
日に日に水浴びをする間隔が伸びてゆく・・
ついには「体を洗うのは週に1回で十分」というレベルに。

パキスタンの辺境を貧乏旅行していると、女子力は日に日に低下してゆく。



こういう厳しい環境で生きる人たち、ほんとうにタフだ・・・

生活環境には恵まれた日本で、それこそぬるま湯に浸かったような生活をしている自分には、
時には辛いと思うこともあった。







チトラールの町から車で2時間ほど北上した場所にあるガラムチャシマには、
一件だけホテルがあり、
そのホテルの客室では浴槽付きのプライベートバスルームが完備されている。
温泉が出るガラムチャシマの恵みである。
普段は貧乏旅行なのに、このときばかりは一泊3000ルピーもする、
私にとってはとんでもなく高級な、このホテルへの宿泊を迷わず決めたのだった。



部屋に入ってからさっそくバスルームで湯をため、
熱々のお湯に浸かった瞬間、ため息がこぼれた。


これまで水浴びといえば、3分程度でちゃちゃっと終わらせるものだったけれど、
このときばかりは夜も朝もそれぞれ2時間くらい、ゆっくりと湯に浸かった。
1ヶ月半分の体の疲れを癒したような気分だった。




熱々の湯が、身にも、心にも染みた。




“お湯に浸かれることが、こんなにも幸せだなんて。”





冗談抜きで、
涙が出るほど心から幸せを感じることができたのだから、
あの汗と砂にまみれ、かと思えば寒さに震えた日々も、
無駄ではなかったのかもしれない。





***




ここからは、ガラムチャシマの風景を、写真でお届け。



ガラムチャシマは、のどかな雰囲気の農村。
青い空と茶色い岩肌の山、木々の緑が広がる。


村の中心を流れる川。雪解けが始まり、水が豊かなガラムチャシマ。





小さな村のバザールを歩く。
ここは、クッキーやケーキを売るお菓子屋さん。


揚げ物屋のおじいちゃん。いい笑顔。
美味しいパコーラを、お腹いっぱい食べさせてくれた。


畑仕事中だった、おじいちゃん。
真顔で決めポーズ。


村の中心にある広場へ行くと、若者がたくさん集まっていた。
フットボールの試合を見学する人々。


村を散歩中に、出会ったおばあちゃん。
カメラを向けたら、照れつつも満面の笑み!







2018年5月 旅の記録より



***



【ガラムチャシマへの行き方】
チトラールから、乗り合いタクシーが一日に何便か出ている。
■場所 チトラール北側にあるバススタンド
■時間 人が集まり次第、出発
■料金 一人200ルピー(セキュリティポリスの分+200ルピー)
所用 約2時間。早朝に行けば日帰りも可。


【ガラムチャシマの宿】
*INNGIKHAN HOTEL
村で唯一のホテルらしい。
中級ホテルなので部屋は素晴らしく綺麗、だけど高い。
部屋に浴槽付きのバスルームがある(湯は温泉!)
■料金 ディスカウントしてシングル3000ルピー!
■設備 辺境の村なのでwifiなし。停電あり。
※外のプール(温泉)のみの利用だと500ルピーだけど、掃除していてプールに湯が溜まってなかったりすると、入れない。




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