2018年5月のチトラール訪問。
この時期、街の中心地にあるポログラウンドでは、
毎日のように、白熱したポロの試合が繰り広げられていた。
***
パキスタン北部では、ポロはクリケットに並んでとくに人気のあるスポーツの一つ。
男たちは馬に跨り、木でつくられた、マレットゴルフのボールによく似た球を追う。
片手で手綱を操り馬をコントロールしつつ、
もう片ほうの手にはスティックを持ち、球を打つ。
相手のゴールに多く球を入れたチームが勝ち。
馬に乗るだけでも難しそうなのに、馬を操って球を追って、
さらにスティックで球を打って・・・
なんという芸当だろう。
実際、すごく難しいので空振りも多かったりする。
スティックや球が人に当たってしまうこともあるし、
馬から落ちることもある。
けが人が出ることはざらで、死人が出ることもあるのだとか。
とにかく、ものすごくかっこよくて、迫力があって、
そして、危険なスポーツなのだ。
幸運なことに、私がチトラールに滞在していた5月上旬は
ポロの大きな大会の最中だった。
7月にシャンドゥールパスの頂上で行われるギルギットvsチトラールに出場する代表チームを決める、大事な戦い。
52のチームが今回のトーナメント戦を競っているとのことだった。
私はこの「ポロ」に魅せられ、
大会の期間中、毎日のようにポログラウンドへと通い
熱気溢れる観客の男たちに混ざって選手たちの応援をした。
(チトラールはイスラム色が濃い地域で、文化的に保守的な一面もあるため
街のバザールやポログラウンドなど、
男性が多く集まる場所では女性を見かけることはほとんどない。)
その大会の一部始終を、写真と共に紹介したい。
試合前。出番を待つ選手と馬。 |
試合が始まった。激しい砂埃を巻き上げ、馬たちがグラウンドを駆け回る。 |
球を追い、混戦となる。 |
観客席にはたくさんの男たち。 “ショボシ(いいぞ!よくやった!)” 応援にも気合が入っている。 |
危ないっっ!スティックが頭に当たりそう・・・ |
グラウンドを、颯爽と駆け抜けてゆく。 |
その日の試合がすべて終わると、観客の男たちは音楽隊の周囲に集まり、 音楽に合わせて拍手をしたり、指笛を増えたり、歓声を上げる。 盛り上がる人々を見て、こちらも楽しくなってくる。 |
舞台裏。待機中の馬。 |
試合後の選手。 |
決勝戦。チトラールポリスvsチトラールアーミー |
閉会・表彰式。2018年の優勝チームは、チトラールアーミー! 多くの観客に囲まれて喜びの舞を踊っているのは、優勝チームと大会の関係者。 |
閉会式にて。 |
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雰囲気が少しでも伝わるように、動画も載せます。
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すでに試合が始まったポログラウンドへ行き、
私が後ろの方で背伸びをして試合を見ていたりすると
必ず誰かが気づいて黙って場所を空けてくれた。
きっと、その人は早くに来て良い場所を確保していたはずなのに。
“シュクリヤ” (ウルドゥー語で“ありがとう”の意味)
とお礼を言って、ありがたく試合を目前で見学させていただく。
そんな感じで、毎回いつ行っても特等席で試合を見ることができたのだった。
ポロを楽しみつつ、地元の人々の温かさに癒された日々だった。
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