3週間近く滞在したキルギスから、ついにタジキスタンへと入る。
タジキスタンは、中央アジアの旅の中でも一番楽しみにしていた国。
パミール高原とワハーン回廊という幻の回廊へゆくのが目的。
このタジキスタンという国、公共交通機関が発達していないので
移動はシェアタクシーやタクシーのチャーターがメイン。
そしてガソリン代も高いので、移動は結構高くついてしまう。
キルギスから国境を越えて、ムルガーブという街を経由してホーログまで行きたいのだけれど
それには大きく分けて2つのルートがある。(逆も同じ)
①つ目は、パミールハイウエイをひたすら東に進む、「パミール高原満喫ルート」(青)
②つ目は、パミールからアリチュールを起点に南下してから東に進む「ワハーン回廊経由ルート」(赤)
①は、本数は少ないながらもムルガーブ→ホーログ間を走るシェアタクシーがあるので問題なし。
問題は、②のルート。
ランガール→イシュコーシム間は運が良ければヒッチハイクも可能、
イシュコーシム→ホーログ間はシェアジープも出ていているのだけど
運次第なところもあるし、行きたい場所に行けなくなる可能性も高い。
そして、アリチュール→(ワハーンの入り口)ランガールまでは、悪路でほとんど車も通らず
ジープをチャーターしないと通るのが難しいとのこと。
チャーターして行きたいところをゆっくり回りたいところだけど
ひとり旅の私がジープをチャーターしたら、とんでもなくお金がかかってしまう。
それでも、私がタジキスタンに来た一番の目的は、
川を隔てて対岸にアフガニスタンの山々や暮らしを覗き見ることのできる
ワハーン回廊に行ってみたかったこと。大変であってもワハーンを見てみたい。
なので、私は②のルートでワハーン、ホーログを目指すことになる。
※あとあと、なんとも魅力的な第③のルートがあったことも知るのだけど…
そのお話はまた後で。
ということで、実は私はキルギスにいる間
タジキスタンのワハーンに一緒に行く仲間をずっと探していたのでした。
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キルギス滞在の間に仲間は無事に(自然と)集まった。
メンバーは私を含めて5人!
ひとりは、カラコルのアニマルマーケットで会った日本人の由樹さん♪
同じくらいの時期にタジキスタンのワハーンに行きたいとのことだったので
カラコルで連絡先を交換して、後々キルギスのオシュゲストハウスで待ち合わせ。
後の3人は、オシュゲストハウスで出会った旅人で、
フランス人のジェレミーとルベンス、そしてシンガポールのチャック!
初めは由樹さんと、
「オシュからムルガーブまでシェアタクシーで行き、そこでタクシーをチャーターしよう」
という話をしていた。
それが、何でもオシュゲストハウスでワハーン経由ホーログ行きのツアードライバーの手配をしているとのこと。
オシュからホーログまで3泊4日のツアーで、一台700ドルと高額だったのだけど
5人でシェアしたら一人140ドルで行ける(宿代は含まれない)!
私たちが事前に得た情報では、ジープチャーターの料金は
ムルガーブ⇄ホーログ間で270ドル〜400ドルくらいと様々。
相場は300ドルくらいなのかなぁ。
それを知っているとオシュゲストハウスのツアーはやや高いように感じたけど
このツアーにはオシュ→ムルガーブ間の移動も含まれているし、
5人でシェアして一人140ドルというのはなかなかお値打ちでは!
ということになり、5人でツアーに参加することに決めたのだった。
私たちのツアーの日程&料金表 |
:
オシュを出発したのは朝9時過ぎ。
国境まで、道路がきれいに整備されていたのであっという間。
国境の手前の街・サリタシュでランチ休憩。
何気に初プロフ。パキスタンのビリヤーニに近い感じ。
お肉と野菜の乗った中央アジア風炒めごはん♪とても美味しかった。
キルギス国境に到着したのは13時頃。
出国は簡単な荷物チェックがあり、休憩時間だったため15分ほど待った。
それからしばらく車を走らせ、今度はタジキスタンイミグレへ。
パスポートを出して、簡単な手続きを済ませ、いざ、出発!
オシュからムルガーブまでは12時間以上かかるなど話を聞いていたのだけど、
タジキスタン国境を出発したのは14時半。ここまでかなり順調!
タジキスタンは国土の90%以上が山岳地帯。
「世界一の山岳国」「世界の尾根」などと言われているようです。
私、山国の長野に産まれながら、山より断然海派!で
大学を卒業して以来、湘南〜小笠原と、4年近く海の側で暮らして来たのだけど
なぜか海外で訪れるのは、山岳地帯ばかり。
暮らしやすい、居心地が良い、と思うのは海の側なのだけど
山にはどこか、惹かれるものがあるようで…
前世の記憶かなぁ…なんて思ったりしている。
タジキスタン国境あたりは標高が既に4000m 。
前日に軽く高山病予防薬を飲んだ(利尿作用があるので、当日は飲まず)のだけど
やっぱり少し酸素が薄い感じ。車酔いっぽいような気持ち悪さがあった。
しばらく車を走らせると、標高4200mくらいのところにあるカラクリ湖へ!
それまでなんだか気分が悪くて車の中で寝ていたのだけど、
ここの景色を見て、一気に気持ち悪さが吹き飛んだ。笑
さすがは世界の尾根、パミール。
やばーい!すごーい!Wonderfull!! Beautiful!! とみんなで大興奮。
エメラルドグリーンに輝く綺麗な湖に、雪化粧した山、
お天気にも恵まれて、何もかも完璧に思えた。
タジキスタンに入って間も無く出会えたこの素晴らしい景色。
これからどんなに素敵な景色が待っているのだろう…と期待に胸を膨らませる。
暗くなる前に出来ればムルガームまで移動したいので
少しだけ周りを歩いたら、また車を走らせてゆく。
この日一番標高が高い場所で4650m
この旅で、どんどん高地の記録を更新して行ってる。
私の場合、国境付近では少し気持ち悪かたのだけど、
なぜかそのあとは順応したのか体は何ともなかった。
でも由樹さんは、高山病になりかなりしんどそうな様子。
チャックとルベンスも何だか元気がない。
オシュから一気に車で標高上げて来たからなぁ…
ドライバーも気にしていて、早く高度を下げようと車を急がせる。
高山病予防薬は利尿作用も強いので 長い移動だと飲むのをためらってしまうけど
高山病になると本当に辛くて何もできなくなるので 飲むことをお勧めします。
トイレはほとんどないけど、岩陰に隠れてすれば良い。
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ムルガーブに到着したのは、19時頃だった。
オシュを出発してから約10時間、思ったよりも早く着けた。
ドライバーにホテルパミールに連れられる。
大きくて、内装も案外きれい。
世界中から、パミール&ワハーンを旅する旅行者が集まっていた。
一緒にパミール&ワハーンを旅する仲間とドライバーと、記念撮影☆
夕食は、胃に優しいボルシチを注文して美味しくいただいた。
シャワーを浴びて、明日に備えてみんなで早めに就寝。
Y.
2017.09.25
ムルガーブ, タジキスタン
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