2018-05-28

「パキスタンへ嫁に行く / わだあきこ著」本の紹介


パキスタンに恋に落ちてからというもの、日本にいる間はパキスタンやその周辺地域(アフガニスタンなど)・イスラムや言語に関する本を探して見つけては愛読書にしたり、パキスタンの文化や言葉を理解するための勉強に役立てたり・・・と、パキスタンに対する想いを膨らませる日々。

考えてみるとこの2年ほど、結構な量のパキスタン、そしてアフガニスタン関連本を読んできました。
そこで、せっかくなので、これから私が読んだ本を、ここでも紹介していきたいと思います。




数あるアジア諸国の中から、パキスタンやアフガニスタンに興味を持った、(ちょっと珍しい?)皆さまの役に立つことを願って、そして内容を忘れないでいるための自分自身の健忘録も兼ねて、ゆくゆくはレビュー一覧ページをつくってゆきたいとも考えています。


本の紹介コーナー第一弾は、帰国してすぐに読んだこの本。


「パキスタンへ嫁に行く」 わだあきこ(著)
  • 単行本:218ページ
  • 出版社:三一書房
  • 発売日:1995/11/1




著者のわだあきこさんは、写真家として世界各地を旅している途中で、パキスタン北西部の辺境の谷に独自の文化と言語で暮らす民族・カラーシャと出会う。
その際にカラーシャ冬の大祭・チョウモスを体験し彼らの文化に魅せられ、1987年以来現在までこの地に暮らしている唯一の日本人女性。
私も、2017年にカラーシャのルンブール谷を訪れた際に、お世話になりました。
この本ではカラーシャ族との出会いから結婚までの様子が軽やかな文章で(ところどころに写真も)描かれていて、わださん自身のカラーシャでの体験がまとめられたエッセイ本のような感じになっています。



電気も水浴び場もトイレもない・・・日本での暮らしとはかけ離れた中でも、カラーシャの人々と同じように過ごし、同じものを食べて暮らし、やがてカラーシャの一女性として受け入れられ、家族となってゆく・・・
日本の暮らしからすると、不便に思ってしまうような生活の中でも、弱音を吐かず常に前向きでな姿勢のわださん。どんな時もカラーシャの人々の目線でものごとを考え、カラーシャの文化を尊重しつつも、人々の暮らしがより良くなるように次々と行動を起こして行く。

問題に突き当たる度に、“カラーシャにとって何が良いことなのか”という視点で解決策を考え、一つ一つ実行してゆく姿には勇気をもらえますし、ローカルとの付き合い方など、読んでいてとても勉強になります。
私の中のわださんのイメージは、“ガッツのある力強い女性”!
でも、それだけでなくて、とても細かいところに気がつく思いやりの深い女性なのだと、この本を読んで改めて思いました。



私もカラーシャ谷は訪れましたが、言葉の壁もあり、短期の滞在ではよくわからなかったカラーシャの文化・神様のこと・お祭りのこと・清浄と不浄について・古くからのしきたりなど、とてもよく理解することが出来ました。
これからカラーシャを訪れたいと思っている方には何よりものガイドブックになると思いますし、私のように訪れたことのある人にも「こういうことだったのか」と新たな発見があると思います。







わださんは自身のHPでも、カラーシャのことを伝えていらっしゃいます。
カラーシャに根付き、カラーシャを愛し、半生をカラーシャと共に生きてきたわださんの想いが詰まったサイトだと思いますので、少しでも興味のある方は、以下のリンクからぜひ訪問してみてください↓↓↓
カラーシャの谷 / わだ晶子のページ


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