2017-11-21

ワハーン回廊、第3の選択肢【タジキスタン】


パミール高原とワハーン回廊を巡る旅を終え
ゴルノ・バダフシャン州の州都、ホーログにやって来た私たち。

ホーログには、長年バックパッカーたちに愛されて来た
「パミールロッジ」という宿がある。
町の中心から離れ、周りをたくさんの木々で囲まれていて、
静かでのんびりと過ごすことの出来るとても素敵な場所。

ここで、ひとりの日本人長期旅行者に出会った。




彼の名前は、ケンジさん。
20年以上日本でテレビのディレクターや
web開発などの仕事を続けた後に、旅に出ることを決めたという。
現在は、旅人3年目。
あと2年は続けるつもりで、トータルで5年くらいの旅を予定しているとのこと。


約20年、日本の厳しい社会で働いて来たケンジさん。
でも、そんな世界で生きて来たということを全く感じさせない
とっても物腰柔らかで、穏やかな雰囲気を纏った方。
ゆっくりふんわりとした話し方、独特の空気感を持ったケンジさん。
話しやすく、居心地がよく、本当に気の置けない人だった。


苦労して、尖るひと、まるくなるひと。


色々なひとがいるけれど
ケンジさんは間違いなく、後者なのだろう。
そう思った。







何でもケンジさんは、
私たちが知らなかった「第3の選択肢」でワハーンを旅して来たらしい。


その第3の選択肢の経路と移動方法はこうである。
その1 ムルガーブからシェアタクシーを使い、パミール高原ルートでホーログへ。
その2 ホーログからシェアタクシーでイシュコーシムへ。
その3 イシュコーシムの近くの村でロバを借りる。
その4 ロバに荷物を乗せて、歩いてイシュコーシム、ランガール間を往復。
その5 イシュコーシムから、シェアタクシーでホーログへ。


なんて、魅力的な・・・


このルートなら、ジープチャーターの必要がないので
交通費がかなり抑えられる。
ワハーンを徒歩で旅する人は他にも目にして
その度に羨ましくも思ったのだけど
「重いバックパックを背負って何日も歩くのは私には厳しいだろう」
そう、考えていた。
でも、ロバに荷物さえ運んでもらえれば
数日かけて歩いてゆく旅は私にもきっと出来る。
何より、ロバと一緒に歩いて旅をするなんて、遊牧民みたいで素敵。


ケンジさんの話は、私たちを魅了した。
現地のひとたちとの交流。
ホームステイさせてもらったこと。
そして、ロバとの絆。


「こんな旅ができたら何と素晴らしいことか」
と、ワクワクするような話ばかり。


さすがにここで、今度はロバでワハーンへ!
とはならなかったけれど
次にもしもここに来ることがあれば、
その時は是非ともロバと歩いてワハーンを旅してみたいと思う。







ケンジさんは、これから数ヶ月旅したあと一度日本に戻り
日本で拠点にしている高知でしばらく休んでから
今度は車を持ってロシアから旅を再開させる予定とのこと。
それからまずキルギスを目指し、旅中に出会ったユルタ職人さんからユルタを買い
車をユルタに乗せて、モンゴルなどをユルタに泊まりながら旅したいとのこと。
旅の仲間は募集中。
なんとも、なんとも魅力的なお話。


そして、最終的に旅を終えたら、
高知でユルタに泊まれるゲストハウスを開くのが夢なのだと言う。


ケンジさんがつくる空間は
きっと居心地が良くて、温かみがある場所になるのだと想う。


ケンジさんの旅はまだまだ続くので、しばらく先にはなるけれど
その夢が実現されるときが、私も楽しみでならない。





Y.
2017.09.28
Wakhan TAJIKISTAN


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