2017-10-23

おとぎ話の世界で寄り道【キルギス・スカスカ】


長く居たカラコルを離れ、ボコンバエバ村へ移動。
カラコルからビシュケクまで直接向かう事も出来たけど
それをしなかったのは、見ておきたい「岩」があったから。




拠点となるボコンバエバ村で一泊し、翌朝向かったのは
“キルギスのグランドキャニオン”と謳われる場所。


この地域一帯に、赤茶けた奇岩が広がっている。




この地はロシア語で“スカスカ”
英語では“Fairy tale”と呼ばれているらしい。
日本語で言うと、“おとぎ話”

奥の方を見ると、一見、お城のような奇岩もあり
まさにおとぎ話の世界に紛れ込んだような気持ちにさせてくれる。
どこか別の空間にタイムスリップしてきたような、不思議な気持ち。







岩の間は入り組んで迷路のようで、歩き回って見るのも楽しかった。
おとぎ話の世界というより、どちらかと言ったら
火星の表面を歩いているようなイメージだった。






岩の一番高いところまで登ってゆくと
そこからどこまでも青くて吸い込まれそうな海!
じゃなくて、海のようなイシククルと言う名の湖が見渡せた。





イシククル湖は、対岸が見えないほど大きい。
周囲約700kmで、その大きさは琵琶湖の約9倍!
湖だって知らなければ、「海だ!」って思ってしまってもおかしくないと思う。
小笠原の、どこまでも蒼い「ボニンブルーの海」が頭に浮かんで
少し懐かしい気持ちにもなった。







思ったより長く滞在することになったキルギスの旅も、あともう少しで終わり。
この後は、来た道を戻り、それからタジキスタンに向かう。



パキスタンを抜けて以来、「パキスタンシック」(ホームシック的な)だった私。
中国では「まだまだパキスタンにいることだって出来たはずなのに、どうして出て来ちゃったんだろう」と思っていたし
「この先中央アジアを旅しても、あれほどに心震えるような景色や、心にグッとくる人々との出会いはないだろう」、そう思っていた。


でも、それは違ってた。


キルギスで見る山とか草原とか、パキスタンで見たそれとはまた違ってたし
そこに暮らす人々もまた違っていた。

パキスタンの山は、どちらかと言うと、強くて、厳しくて、壮大な感じ。
でもそこに暮らす人たちは純粋で人懐っこくて素朴で、温かみがあった。

キルギスで見た山はポコッポコっとしていて、優しく包み込んでくれるようなイメージ。
人々はちょっとシャイな感じ、日本人に似ていて程よい距離感が心地よかった。


どちらにも、それぞれの良さがあった。
それぞれ違った「美しさ」があった。



世界はきっと、美しい景色で溢れてる。
まだまだ知らない、みたことのない素晴らしいものが待っているんだ。
そう思わせてくれた、キルギスの旅だった。






p.s.
キルギスで、一つできるようになったことがある。
自動点火ではないガスコンロを
自分でマッチで点火できるようになったこと。
(それまでまともにマッチも使えなかった)
小さいけど、嬉しい進歩。





Y.
2017.09.20






**スカスカへの行き方**

■場所:ボコンバエバ村中心のバスターミナルから。
■手段:“カラコル”行きのマルシュルートカ
■料金:50ソム
■所用:30〜40分
※「スカスカ」と言うと看板の前で降ろしてもらえる。
※ビューポイントまでは、降りたところから徒歩40分程度。
※帰りは看板の前で“ボコンバエバ”行きのマルシュを待つ。



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