2019-10-04

弾丸ラホール街歩きと国境セレモニー【パキスタン】


「チトラールが恋しくなったら、また戻って来てしまうかも」



そう友人たちに告げてチトラールを発ち、フンザで数日間を過ごしていたけれど、
やはりまた、戻りたくなってしまう。
チトラールも含め、北西部の雰囲気が全体的に好きなのだ。



そのためにはギルギットへ行き、来た道を戻るルート(シャンドゥール峠を超えてチトラールへ)
が最短コースなのだが、フンザであれやこれやとあり、
自分自身の想いとは裏腹に滞在が引き伸ばされてゆく間に、
シャンドール峠には雪が降り積もったらしく、このルートはクローズされてしまった。






となると、一旦イスラマバードへと南下し、
そこからまた北西部へと北上するルートをとることになる。
他にも、ほんの僅かだけ近道になるはずのルートは存在する
(ベシャームからミンゴーラへと抜ける)のだが、
以前このルートをとった友人の苦労話を聞いていたこともあり、
近道が近道にならない可能性もあると考えたためこれは却下。



けっきょくイスラマバードへと向かう長距離バスに乗車した私は、
車内で揺られながら考えていた。
イスラマバードに一泊してすぐにチトラールに戻るのか、
せっかくなのでまだ訪れたことのないラホールにも行って見ようか。




パキスタン中、北から南まで色々な街や村を歩き回ったというのに、
パキスタン第1とも言われる大都市ラホールに行ったことがないというのは、
寿司屋へ行って寿司を食べないようなものなのでは、という気がしていた。
実際に寿司屋へ行くと寿司以外のものを好んで食べるし、それはそれで良いのだが。




そんなわけで、とりわけ強い思い入れのある場所ではなかったが、
ついでだから、と、ラホールを訪れてみることにした。




イスラマバードに到着して間も無く、ラホール行きのバスが発着する場所へと移動、
そこからさらに4時間かけてラホールへと移動した。




ギルギットからラーワルピンディーまで、約20時間もの間
バスの中で寝て過ごして来たはずなのに、やたらと眠い。酔い止めの副作用だろうか。
ラホールへの移動中も爆睡で、目が覚めた時にはもうラホール市内にいた。



ラホールはパンジャーブ人の町。人々の顔つきも北部とは大きく異なる。
どちらかというとインド人寄りだ。




弾丸で歩き回ったラホールの様子は、主に写真で紹介。
(面倒くさいわけではない)







ラホールで泊まった宿は、リーガルインターネットイン。
ラホールの最安値近辺の宿で多くのバックパッカーが利用する場所だ。
このときはカラーシャのブンブレット出身のマネージャーがいて
とても親切に旅のサポートをしてくれた。






城壁で囲われた広大な旧市街のバザールへ。
服やショール、装飾品などを扱う通りで女性の姿も多い。
所狭しと並べられた商品に色とりどりのシャルワールカミーズ、
とにかくカラフルで目が飽きない。











レディース通りを抜けると今度は男だらけの区域に入ったよう。




私が大きなカメラを首から下げて歩いていると
「俺たちを撮ってくれ」とあちこちから声がかかる。
散策自体は、なかなか歩みが進まないのだけど。
カメラを構えると、こんなひょうきんなポーズをとってくれる
陽気でひょうきんな大人の多いラホール、パキスタン、大好きだ!





ラホールの大きなバザールの中にいながら、全く商売気のない男性。
新聞に見入っている。
長く伸ばした髭、イスラームの礼拝帽、額には黒ずんだ礼拝ダコがあった。
敬虔さが滲み出ていた。





路上の床屋さん。





これは、ラホールの象徴とも言えるバードシャーヒーモスク。
なんと一度に10万人の人が礼拝できるほどの規模だそう。





バードシャーヒーモスクではなく、小さめだったけど装飾が美しかった
こちらのモスクでアスル(午後)の礼拝をした。
女性がモスクでお祈りすることがポピュラーではないパキスタンで
女性用の礼拝スペースが確保されているというのは有り難かった。






日没前に、インド国境のワがボーダーへと移動。
インド、パキスタン、両国の国旗を降ろすセレモニーが毎日日没前に行われている。






こちらはパキスタン側の女性席。
カラフルで綺麗。





反対側が、男性席。






パキスタン建国の父ジンナーの肖像と、パキスタン兵。





奥に見えるのは、インド側の観客席、そしてインド兵。


パキスタンとインド。
それぞれ、応援合戦で盛り上がる。みんな楽しそう。





国旗を下げる。



パキスタン側では、応援団長の掛け声に合わせてみんなで
パキスタン ジンダバード 万歳!
アッラーフアクバル アッラーは偉大!
ラーイラーハイッラッラー アッラーの他に神はなし!
などいかにもパキスタンらしい言葉が叫ばれる。みんな熱が入っている。
パキスタン、インド軍の行進もコンビネーションばっちりだった。




この盛り上がりや楽しさは写真では伝わらないと思うので
ぜひ実際に現地に行って見ていただきたい、と思う。







セレモニー終了後。パキスタン兵。






帰り際、来た道を歩いて帰っていると、
若い女の子たちが寄って来て「どこから来たの?」と話しかけてくれる。
そして、「セルフィープリーズ」と撮影会が始まる。
パキスタン人は、なぜかセルフィーが好きだ。
一部の観光地をのぞいて、外国人に会うということが珍しいのだと思う。
きゃっきゃと盛り上がっている彼女たちが可愛らしかった。
撮影会が始まると周りにはどんどん人が集まって来て、
気がつくとセルフィーをとるための行列ができている。
男性陣も気になっているようだが、
私がきっちりドゥパッタをしてイスラーム女性の服装をしていたせいか
写真を要求してくる人は少なかった。

あまりにセルフィーを撮られすぎて、もう顔の筋肉が麻痺したように
引きつった笑顔しか作れなくなって来た。
もう時間がないから、と言ってささっと逃げた。
さながら有名人にでもなったかのような気分だった。



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思えば、ラホールではほとんどお金を使っていないような気がする。
私は路上の御飯やさんに立ち寄りローカルに混ざってご飯を食べるのが好きだ。
ラホールでもあちこち路上屋台を回ってご飯を頂いていたのだが
どこにいっても大体、料金を受け取ってもらえない。
渡す努力はするのだが、「ゲストだから」ど断じてお金を受け取ろうとしない。



おもてなしは素晴らしく、男気に溢れた人優しい人ばかりだった。





スパイスの効いた野菜と豆の料理、美味しかった!


フレッシュ野菜売りのお兄さん。




シュワルマ屋さん。




濃厚で甘いミルクチャイ。





宿から歩いてすぐのところにあった、有名なアイスクリーム屋。
種類がものすごく豊富でしかもとてつもなく美味しい。一日2回は通った。



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ラホールの次はイスラマバードへ行き、
そこからチトラール行きのバスに乗り換えようと考えていたのだが
カラーシャ谷出身の宿のマネージャーが
「ディール行きのバスが出ているから、そっちで行くといい」とアドバイスしてくれた。



喧騒のラホールの日没をタクシーの窓から眺めつつ、バス停へと向かった。





***

【ラホールの宿】

リーガルインターネットイン ※2018年11月時点

■場所:リーガルチョークの奥まった路地
■料金:ドミ450Rs / ツイン1050Rs
■設備:wifi、洗濯機、テレビ、ファン、キッチン、冷蔵庫、シャワー

・ホットシャワー可能
・wifi高速
・上記設備は無料で使用可能
・宿の周辺には美味しいアイスクリーム屋、屋台、チャイ屋などなんでもあり便利。


【移動情報】

ラーワルピンディーからラホールへ

Faizabad Metro Station近くに大きなバススタンドあり
Skyways Daewoo Bus Service利用 Rs1030 所用4時間
一日に何便も出ている。


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