秘湯、アルティンアラシャン【キルギス】

朝の6時半。いつもより早めに起床。
前日に買っておいた材料でサラダを作って食べる。
そして、7時半にチェックアウト。
大きな荷物は宿に置かせてもらうことにした。
今日はこれから、アルティンアラシャンのトレッキングへ。



宿のお姉さんに教えてもらった場所で、350番のマルシュを待つ。
どうやら同じ350番でも、アルティンアラシャンの入り口まで行くのと、
そうじゃないのがあるみたい。
「アルティンアラシャン？」とドライバーに確認してからマルシュに乗車、30ソム。
そこからアルティンアラシャン登山道の入り口までは、マルシュで20分。

ここの分岐で降ろしてもらい、この右の道をひたすら進んでゆく。
基本的に川沿いの一本道を進むような感じだったので、迷うことはないだろう。
アルティンアラシャンまでは、15kmの道のり。
時間にすると４〜６時間（人による）らしい。
比較的軽い方のトレッキングコースのようだ。


8時半にトレッキング開始。
はじめのうちは、ほぼほぼ平坦な道が続く。

最初のうちからずっと絶景が続く。
針葉樹の森と、そこを流れる水色の川の景色が素晴らしい。

なかなかいいペースで順調に歩けている気がした。
中間地点まで、１時間半くらいでたどり着けた。
ところが、このあたりから坂道が増えてくる。
坂道を登ってはほんの少し立ち止まり、歩いては少し立ち止まり
それでもしっかり脚は動いてくれたし余力は十分にあったので
大きな休憩は挟まずにひたすら歩き続けた。

一人で森の中をひたすら無心になって歩き続けていると
頭の中がとてもクリアになってきていることに気づいた。
いろんなアイディアが次々と浮かんできて
普段よりもクリエイティブな状態になっているのがよくわかる。
自然の中に身を置いているうちに、頭も心もリラックスしてきた。
それは、大好きなサーフィンをしている時の感覚に近いものがあった。
海も大好きだけど、山もいいものだ。
人はやっぱり自然の中に身を置いて
心も体もリラックスしていると、感覚が研ぎ澄まされてゆくのかもしれない。

もともと“山登りは疲れるだけ”という印象だったのだけど笑
登りきる頃には「トレッキングもなかなか楽しいなぁ」という感想に変わっていた。
アルティンアラシャンに到着したのは
登山を始めてからちょうど４時間後だった。
案外、いいペースで来れたし、まだまだ余力も十分にあった。

【アルティンアラシャンとは】

アルティンアラシャンは、小さな家兼宿が５件くらいあるだけの
小さな小さな温泉保養地。
それぞれの宿で、プライベート温泉に入ることができる。
また、ここは”中央アジアのスイス”とも呼ばれるくらい
景色が素晴らしく、のどかな風景が広がっている。
まるでそれはアルプスの少女ハイジの世界。なんだか可愛らしい村。

【アルティンアラシャンの宿】

どこの宿も値段はそれほど変わらない。
アルティンアラシャンに行くと一番手前に見える”vip tours”が
見た感じ一番豪華で綺麗そうだけど、若干高め。
私は、南旅館で会った日本人がオススメしてくれた
手前から３つ目の宿”アルティンアラシャン”に泊まった。
身長190cmの大柄なおじちゃんと、その奥さんでやってる宿。
おじちゃんもおばちゃんも人柄が良くて可愛い感じ。
値段は部屋代と温泉と朝食込みでドミ500ソム。
夕食をプラスで350ソム。
私の時は宿泊客が少なかったらしく、ドミを一人で使わせてもらえたのでラッキーだった。
敷地内にはユルトもあったので、大人数だったらユルト泊も楽しそう。
敷地内にテントを立てさせてもらってる欧米人もいた。

【アルティンアラシャンの露天風呂】

早い時間に到着したので、日没までまだまだ時間がある！
午後は、少しアルティンアラシャンを歩き回ってみる。
この時期は観光客も減ってきてるようで人が少ないし
本当にここは何にもない。でもそれが心地良かった。
アルティンアラシャンではほとんどの宿に
専用の温泉（プライベートルーム）が付いているのだけど
ここアルティンアラシャンには共用の露天風呂もある。

カラコルで同じ宿に泊まっていたロシア人のアレックスに会い
一緒に、川沿いにあるという露天風呂を探しにゆく。
川に向かって丘を降りて行くと、それは確かにそこにあった！
２、３人くらいが入れる、小さな露天風呂。
お湯はぬるめだったけど、こんな気持ちのよい場所で入ったら
思いっきり癒されるだろうなー！
アレックスは入浴してたけど、私はやめておいた。

その露天風呂があるところから、
さらに川沿いに奥に進んだ形跡があったので
アレックスが入浴している間に私はその道を進んでみることにした。
奥へ奥へ、草をかき分けながら進んで行くと、、、
なんとそこには二つ目の露天風呂が！
しかもカエルの顔の形をした浴槽がなんとも可愛らしい！
こちらも共用の露天風呂ではあるけれど
ここまでくる人って多分ほとんどいないんじゃないかと思う。
見つけにくい場所にあるし、貸切状態。
でも温度はやはりぬるかったので、写真だけ撮って帰ってきた。
あとあと聞いてみると、どうやら、川沿いの露天風呂は全部で３つあるらしい。

【プライベート・天然温泉！】

プライベート温泉が付いてない宿もあるけど
ほとんどの宿にはプライベート温泉が併設されている。
私が泊まった宿”アルティンアラシャン”にも熱々の温泉が２部屋あり
宿泊者が交代で使うことができた。
私はみんなより着くのが早かったので
のんびりゆっくり温泉に浸かることができた。

プライベート温泉はこんな感じ。
オーナー曰く”50度の湯”
さすがにそこなではないと思うけど、確かに熱々で
硫黄の香りが漂うまさに”温泉”らしい温泉だった。
トレッキングの後の温泉は格別に気持ちが良かった。
湯船に浸かれるなんて、この旅始まって初めてのこと。しかも個室。
パキスタンでは、お湯が出ない宿がほとんどだったので、余計にこの湯が心と体にジーンと染みた。



：



アルティンアラシャンでは、１泊か２泊くらいゆっくりしてから帰ってくるつもりでいた。
だけど、実際に登ってみるとまだまだ余力がかなりあったこと、
そしてせっかくここまで来たのならアラコル湖まで行ってみたい！という気持ちになり
翌日はアラコル湖まで行ってみることに決めた。



夕食を食べて、次の日の朝に備えてこの日は早めに眠りについたのだった。