2017-09-26

カシュガルでの国境待ちの日々【新疆ウイグル自治区】



カシュガルに着いてから7日間、私はひたすら待ち続けていた。
中国とキルギス間の国境が開く日を。






***



もともと、長居はせずにすぐに抜けるつもりでいた中国。
ところがここで、思わぬ足止めを食うことになってしまった。


カシュガルに着いた翌日、衝撃の情報を宿のスタッフから知らされる。
私が国境越えをしようと思っていた日はイスラムのお祭りであるイードに当たり
そのお祭りの間国境が閉鎖されるのだと言う。
お祭りは9/1から始まり、5日〜10日くらい続くと思うけれど
いつ国境が開くかどうかは宿のスタッフもわからないとのこと。
パキスタンではイードで国境がしばらく閉まることはわかっていて
それもあってフンザを早めに出発して中国に移動してきたのだ。
ここも中国といえどイスラム教のウイグル族たちの土地であるということを
完全に忘れていました。
中国国境も、彼らのイードのお祭りに合わせてお休みになるのですね…
という訳で、自動的にカシュガル延泊が決定したのでした。



***



カシュガルで1週間もの間、何をして過ごしていたのかと言うと
(最初の2日間以降何もすることがなかったので、)
とにかく毎日ここに通っていました。




新疆ウイグル自治区で最大のモスク、エイティガール寺院。
イスラムの人々の精神的なよりどころ。




この寺院の周りは公園のようになっている。
地元ウイグルのおじさま方や奥様方は、ベンチに座って井戸端会議。
中国人観光客が記念撮影をしたり、それぞれが思い思いの時間を過ごしていた。
子どもたちも、楽しそうに遊んでる。




広場の端っこにあるベンチに腰掛けて
人々を眺めながら、物思いに耽ったり
のんびりと日記をつけたりして過ごした。



***



お気に入りのアイスクリーム屋さんがあった。
宿から歩いて5分くらいのところにそれはあって
一日一回必ず、多い日で3回通ったときもあった。




アイスクリームというよりは、ジェラートのような舌触り。
味は、山羊の新鮮なミルクのような感じ。
実際に山羊のミルクを飲んだことはないけど、
フンザで食べた山羊のチーズの味に似ていたので。
山羊肉は苦手だけど、山羊のミルクはクセがなくて超美味しかった!




このミニサイズのカップで2元(≒33円)
ちなみに中サイズが3元、大サイズが4元。
カシュガルには同じようなアイス屋さんが沢山あるのだけど
私はこのおじちゃんの作るアイスが一番好きでした。
おじちゃんは私が来るたびにニコっと笑って
いつもアイスをモリモリにして渡してくれた。



***



そして、カシュガルに来てから7日目。

「国境は明日(9/6)開くって!」と宿のスタッフから朗報が!
いよいよ、カシュガル滞在も今日でラストかぁ。
長かったなぁ・・・。

カシュガルにいる間、
宿には同じように、キルギスやパキスタンと中国間の国境が開くのを待つ
欧米人バックパッカーやチャリダーのグループがあった。
私は宿で一人で過ごしていることが多かったのだけど、
そんな私を見かけるといつもみんな
「一緒に朝ごはんどう?」「夕食いかが?」
「夜景観に行かない?」
などと、その度に誘ってくれました。
それなのに私と言ったら、やっぱり自分の英語に自信が持てなかった。
数年前の自分と比べたらかなり話せるようにはなったけど
それでもネイティブスピーカー同士の英語は早くてついて行くのが大変。
自分一人だけ話の内容がイマイチ分からなくて
彼らが話していることがちゃんと理解できずにその場に居続けることが辛くて
せっかく誘ってくれたのに自ら誘いを断ってしまったり、途中で席を立ってしまったり。
でも、「君の英語はかなり上手だよ」と言ってくれたり
(お世辞でもすごく嬉しかった)
私がしばらく言葉を発しないでいると話を振ってくれる優しい皆。
みんなの気持ちがすごく嬉しかった。
壁を作っているのは自分。
英語ができなくたって、みんなと一緒にいることが大事!
って最後には思うことができて、
最終日には、みんなとシェア飯を作ったり
広場に行ってアホなことをしてみたりして
一緒に楽しい時間を過ごすことができました。






オーストリア、オーストラリア、中国、イギリス、アメリカから
それぞれ何カ国も、自転車やバスで巡って来たたくましい若者たち。
時にはテントと寝袋で夜を過ごすこともあったと言う。
自分たちの足で、自分たちの力でここまで来て、そして出会ってくれたみんな。
彼らとの出会いが、本当に嬉しかったし、
彼らのことがなんだか羨ましかったし、輝いて見えた。

彼らが仲間に入れてくれたおかげで、
とっても楽しく最終日を過ごすことができた。

また、どこかで会えたらいいな。
そんなことを思いながら、お別れをしたのでした。



***



最後に、カシュガルで皆で見た夕日。








本当に本当に、綺麗だった。

Y.
2017.09.05
Kashgar Xingchan CHINA


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