2017-04-27

家庭訪問とイスラムの話【パキスタン・フンザ】

2017.3.2
この日は、宿のスタッフで料理人のアバースが
カリマバードのローカルな農道を案内してくれた。




ここの農道から見る景色が、本当に素晴らしかった!

今は冬の終わりで殺風景な感じはあるけど
これからどんどん杏が花を咲かせ
木々が緑に色づいて行ったらどれだけ美しいのだろうか。
想像するだけでため息がこぼれた。
心配性の私にとって
パキスタンに来るのはとても怖かったけど
勇気を出して一歩を踏み出してみて本当によかった。
多分ここに辿り着くことが私の人生で大きな意味を持っているような
、、、そんな気がした。
教わったばかりのウルドゥー語を、ずっと繰り返していた。
メー コショ フーン。
メー コショ フーン。
(私は幸せです。)


アバースの親しい友人と、その奥さんと子どもが
農作業をしているところを通りかかった。



家のすぐ隣の畑(果樹園)で
りんご、あんず、さくらんぼなどを育てていて、
ニワトリも飼育しているみたい。
アバースとその友人が外で話している間に
奥さんと子どもが家の中に案内してくれて
チャイをご馳走になった。
家の中にはおばあさまもいらっしゃった。
英語があまり通じなかったのだけど
なんとか身振り手振りで話が出来て
最後にお礼としてチェキで写真を撮ってプレゼントしたら
とても喜んでくれた。
“日本人はグッドマインドを持っているから好きだわ”
と奥さんが言ってくれたのが嬉しかった。


ここに来てまだ一日だけど
出会う人出会う人みんな日本人が好きだと言ってくれる。
それもこれまでここを訪れて来た旅人や
フンザの発展に従事されて来た方々のお陰。
私も、日本人や日本の良さをもっと伝えられるような関わり方を
現地の人として行こう、と思った。

フンザで地元の人の家庭を訪問するのは一つの夢だった。
まさかこんなに早く叶うことになろうとは…。


夜、ギルギットからやって来ているオーナーの友達が
ホテルに遊びに来ていたので皆で一緒にご飯を食べた。
その中で、宗教の話になった。

彼らはムスリムで、イスラム教について、
「この世に存在する全てのものが
アッラー(神)により与えられているんだ」と言っていた。
「君の宗教は何?」
と聞かれたけれど、正直私はさしたる信仰は持っていない。
「私は何教の信者でもない」と言うのが本当のところだけど
イスラム教徒に対して、“私は無宗教です”
と言うべきではないと思ったので
(彼らは人間は誰でも何らかの信仰を持っているものであり
信仰を持たないものは動物と同じだと考えるため)
ひとまず『家族は仏教徒。でも日本では神道の考えも広まっているかな』と答えてみた。
イスラム教と聞くと、排他的なイメージを持つ人は多いと思う。
だけど彼らは異教徒だからと言ってはねつけることはしない。
基本的に他の宗教を受け入れようとする心を持っているし
他の宗教を“知りたい”と興味を持ってくれている。
ただ問題なのは私。
仏教について詳しく聞かれるのだけど
恥ずかしいことに仏教の知識を大して持ち合わせていない。
日本語でも説明できないのに英語で説明できるはずがない。
“神道”については「神道って何?」と聞かれたので
『神道では、自然界に存在するあらゆるものに神(命)が宿っていると考えられる。』と言ったら
「だけど何によってその生命が与えられるの?」
と聞かれて言葉が詰まってしまった。
言葉の問題もあるけど
そもそも一神教であるイスラム教では
多神教は良くないものとされているので
多神教である神道を彼らに理解してもらうのは難しいだろう。
宗教の話って難しい…。
私が自分の信仰を全然説明できないので
逆に彼らがイスラム教についてひらすら語り続け
私は「うんうん」とうなづいていることしか出来なかった。


フレンドリーで楽しい方々でした♪


この日アバースに「ウルドゥー語を勉強したいんだよね〜」と話すと
時間を作って毎日1時間くらいレッスンしようとのこと。

まだ寒いし杏もまだみたいだし
勉強するなら今が丁度良い。
明日から、ウルドゥー語個人レッスン始まるようです。


*end*



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