悪い言葉、悪い行いを慎み
善い言葉を話し、善い行いができますように。
我欲を抑え忍耐強くあれますように。
4月13日より 今年のラマダーンが始まりました
ラマダーンというのはヒジュラ暦(イスラム暦)の9月にあたる月のことを指します。
今年は4月13日から5月12日までとなりますが
月の満ち欠けによる太陰暦で動いているので
毎年少しずつ時期がずれていきます
ラマダーン=断食と思われがちですが
実際には断食だけを意味しません
ラマダーン月は預言者ムハンマド様(SAW)に初めてクルアーンが啓示された月で
1年のうちで最も素晴らしい月とされています。
このラマダーン月には、ムスリムのうち可能なものであれば誰でも
毎日 、日の出前から日没までの間
サウム(斎戒)を行う義務があります
サウム中には、飲食を絶つ断食だけでなく
タバコを吸わない、悪いことをしない、
悪口を言ったり噂話をしない、
夫婦であれば性行為をしない、
など、あらゆる欲をコントロールする必要があります。
また、ラマダーン月に行った善行は普段よりもポイントアップするために
ムスリムはすすんで善行するように努めます
ザカート(義務の喜捨)やサダカ(善意の喜捨)もこの時期には盛んに行われます。
*
ラマダーン中の私の生活スタイルはと言うと
2時半頃に起きて断食前の食事(スフール)をとる
3時半頃には食事を終えて 日の出前の礼拝に立つ(ファジュル)
そこから約15-16時間のあいだ 飲食を絶つことになる
日勤の日は 7時半頃に職場に行き いつも通り自分の仕事を行う
早い日なら18時頃仕事を終えて帰宅することが出来
18時半頃に断食空けの飲食(イフタール)をとる
そのあとは夜の礼拝に加えわたしは昼間に時間どおりに行えなかったカダーの礼拝を行う
それからクルアーンを読んだりアラビア語の勉強をして
またスフールの時間に起きれるように
目覚ましをかけて22時頃に就寝
夜勤明けの日は仕事が10時頃終わるので楽だけれど
入りだと22時頃までまともにイフタールの食事がとれないのでちょっと過酷
このような生活が、30日間続く。
*
3年前にパキスタンで過ごした初めてのラマダーンは
ただただ幸せで喜びに満ち溢れていた記憶があるけれど
自分のまわりにムスリムのいない環境での日本でのラマダーンは
私にとっては忍耐の日々。
そしてラマダーンは精神修行の日々でもあります。
あらゆる欲をコントロールする力が付き
ラマダーンを終える頃には少しレベルアップした気分になります
ラマダーンがはじまる前は
「日本の病院で働きながら断食なんて絶対無理
患者さんを看なければいけない立場なのに
脱水症などで自分が患者になったらどうしよう」
などと考えてとてもとても不安に思うのだけど、
いざ始まってみると 案外なんとかなるもの。
私が働いている病棟では絶飲食となっている患者さんがとても多いので
そうした患者さんの気持ちにもより寄り添うことができます。
食べることができない者、貧しい者の気持ちを理解することで
助け合いの心を育む、優しい気持ちになれる。
そうしたことも断食の一つの目的です。
仕事中、私が昼休みにも食事をとっていないので
同僚に聞かれて理由を話すととても驚かれます。
でも、興味を持ってくれたり理解のある人ばかりなので本当に助かっている。
人間関係にとても恵まれたなと思う。
アルハムドゥリッラー。
断食に関して「大変だね」「しんどいね」と言われるのだけれど
ただただしんどいのかと言えば、そうでもない。
休みの日であればのんびりと過ごしていれば問題ないのですが
仕事の日だとちょっと大変で、初めの数日間は
「お腹すいたな」「喉乾いたな」と思いながら過ごしていたけれど
私は10日経ったあたりから、そうした感覚も徐々になくなってきました。
体がラマダーンのライフスタイルに順応してきたのでしょうか。
ただ夜明け前に起きれずスフールの時間を逃してしまうとちょっと辛いのだけど。
クルアーンを読んだり1日中アッラーを想いながら過ごしていると
不思議と心が落ち着き 心配事もあまり気にならなくなる
1年で一番心が穏やかでいられる月かもしれません
今年は久々にパキスタンの友人と連絡をとったり
近くに住んでるマレーシアのファミリーに誘っていただいて
イフタールの食事を楽しんだり
同胞たちとの交流が深まりとても喜ばしい日々を過ごせています。
ラマダーンはただ禁欲的で厳しいものではなく
日本でいうお正月のようなもので
家族や親戚や友人とで断食明けの食事を分かち合ったり
本来は喜びに満ちた期間です。
多くのムスリムが毎年楽しみにしている月でもあります
現在ラマダーンも半分が終わり
すでに後半戦に突入です。
5月前半はたくさんお休みをもらえたので
インシャアッラー、
アラビア語やクルアーンの勉強をできる限りすすめたい。
モスクの勉強会やイフタール会にも行きたい
*
全世界人口のうち、現在約15億人、4人に1人がイスラム教徒であり
近い将来、3人に1人がイスラム教徒になる時代が来ると言われています。
現在、日本に暮らしているイスラム教徒は人口の0.1%以下にすぎません。
イスラム教徒と一度も話したことのない人も多いのではないかと思いますが
日本におけるイスラム教徒の人口は、
しかし、イスラームは、日本人にとっても
遠い国の遠い文化ではなりつつある
イスラームを知る機会がほとんどないこの日本に生まれながら
イスラームに出会い受け入れるに至った者として
行いを通してイスラームを正しく伝えていける人間でありたい。
旅中に出会ったムスリムの温かい言葉がけや立ち振る舞いを通して
イスラームの美しさを教えてもらったときのように。
多くを学び 日々実践し
間違ったイスラームの知識を広めるのではなく
正しい道を歩んでいくことができますように
0 件のコメント:
コメントを投稿